どうも。
山口県の山奥で農家やってる梅田(@crfmuc0nd)です。
田舎で農業やりたい!
と気合い入れて移住して、借りるか買うかして農地を手に入れ、いざ始めると、
思っていたのと違った。
体力的に辛いとか、儲からないとか。
程度の差はあれ、似たような話はよく聞きます。
農業を始める際の重要な要素として「何を作るか」ということについて、ぼくがスイカをチョイスした根拠を絡めながら書いていこうと思います。
住みたい場所or作りたいもの
「適地適作」という言葉があります。
作物の生育上、気候や土壌の条件的に向き不向きがあるのは当然です。
信州や甲州が国産ワインをリードするのは、年間の降水量が少なく、砂混じりで水はけの良い土壌をワイン用の葡萄が好むからです。
フランスのボルドーやブルゴーニュはそういった条件の究極地です。
鳥取でらっきょう栽培が盛んなのも適地適作にのっとっているから。
肥沃な土地より砂地の方が品質の良いらっきょうが育ちます。
作りたい作物がすでに決まっているなら、その栽培が可能な、というよりも「より適している地域」を探すべきでしょう。
反対に、住みたい地域がある場合は、その地域の気候や土壌の条件をよく理解し、そこでの栽培に適している作物をチョイスすることが重要です。
ぼくの場合、山口県阿武町に住むことが先に決まっていたので、そこで適した作物を選んでいったわけです。
この時点でらっきょうやワイン葡萄などを選択肢に入れるのは無謀というわけです。
作物特有の作業が向いているかどうか
農業は作物によって本当に様々な特有の作業ああります。
通路なくなっちまったwww
見てると思わず笑っちゃうけど、これは失敗したなあ…#スイカ#農業#田舎暮らし pic.twitter.com/iCxCs2E8bV— 梅田将成🍉@人生を耕すクレイジー・ファーマー (@crfmuc0nd) 2018年5月30日
ビニールハウスの中で汗をかくのが主な作業になるものもあれば、作業時間の大半を室内で過ごす作物もあります。
例えばほうれん草は日光に当たっている時間帯に収穫すると劣化が早まるため、夏場は早朝、冬場は夕方収穫します。
日中は収穫したほうれん草を選別する作業に大半を費やすので、夏でもあまり日焼けしません。
ですがほうれん草の選別作業は手先の細かい仕事も多いので、向かない人も結構多いようです。
稼げるかどうか(自分たちで価値を提示できるか)
ぶっちゃけぼくがスイカを選んだのはこれが大きいですね。
スーパーで売られている玉ねぎやニンジンやジャガイモやトマトなどは日々の生活でも必要度の高い作物です。
だからこそ、価格を変に高くは設定できません。多くの人がより安い方を買うでしょうから。
https://twitter.com/crfmuc0nd/status/996728715563253761
量販店で扱われている野菜は、仕入先の市場で価格が決められます。
そこに農家の意思の入り込む余地はなく、育てた作物がいくらで売れるかをただ黙って待つしかありません。
それってどうでしょう?ぼくは嫌です。
スイカって、お米とか、先ほど挙げた野菜に比べると生活における重要度は低いですね。
でも、1年間の「真夏」という時期にだけ、局所的に需要が上がります。
こういう「ベストな時期を外したくない」作物って、「より良いものを食べたい」という意欲をかき立てやすいんです。
品質さえ良ければ、いくらでも高級志向へと乗せることができるはずです。
ぼくが作る阿武町、福賀のスイカはまさにその典型例です。
量なんかより徹底的に質、贈答品仕様、1玉10Kgアップは当たり前という尖った理念をそのままスイカの価値に投影し、お客さんと契約小売店への商品を最優先することで、市場からスーパーへと流れるスイカよりはるかに高値で回すことができています。
自分たちで価値を決められるというのは農業で絶対に譲れない条件です。
今後もっとスイカにいろんな価値を与えて、1玉5000円ベースに乗せたいですね。
あ、こんなこといってますけど、さらっと先述した「品質さえ良ければ」って言うのは大大大前提で、しかもこれがすこぶる大変ですよ!誤解のなきよう。
さあ、みなさんも農業でガンガン稼ぎましょう!稼ぐための努力が農地の資産価値を高めていきますよ!