農薬の用量・用法を守って正しく防除しよう。

農薬 注意

以前、すいか栽培における害虫防除の記事を書きました。

今日のすいか栽培 害虫防除閲覧注意!?今日のすいか栽培「害虫〜防除編」

最終的にお盆の頃まで圃場にすいかがあるので、この時期もしっかり防除を行います。

重要
完全無農薬だからといって美味しくなるわけじゃありません。

美味しく作った作物を正しく守るために防除は不可欠です。

今回は、農薬を使って防除を行う上での注意点をいくつか紹介します。

希釈倍率

これはもう基本中の基本です。

倍率を間違えれば、濃過ぎて薬害が出てしまったり、薄過ぎて効果が現れなかったりしますからね。

僕らが対アブラムシで使用するダントツは、2000〜4000倍に希釈します。

倍率に幅があるのは、使用する作物や、想定する害虫、また使用する時点での作物の生育状況などによって倍率の規定が変わっているからです。

すいかの場合、アブラムシなら4000倍、ウリハムシに対してなら2000倍に希釈するよう決められています。

後述しますが、これらの基準は薬品のラベルの内側に記載されています。

使用期限と使用回数

使用期限とは、収穫日から数えて何日前までその薬品を使用して良いかを定めたものです。

そして使用回数は、使用期限までにその薬品を使用して良い回数です。

これも、作物によって細かく違ってくるので、必ずチェックしなければなりません。

薬品のボトルのラベルを剥がすと、内側にはこんな感じの表が載っています。

先述した希釈倍率も書かれているので、忘れずにチェックしましょう。

希釈の方法。

1度の防除でハウスを何棟も回るので、500Lくらいは必要です。

トラックにタンクを積み、水を用意するのですが…

間違っても、タンクの水に直接薬品を入れてはいけません!

あまりに水量が多いので、薬品の混ざりにムラが出てくる可能性があります。

そうすると、濃い部分と薄い部分ができてしまうので、薬害が出てしまうかもしれません。

それを避けるために、まずはバケツなどに水を汲み、その中で薬品をしっかり溶かしておきます。

農薬 注意

こんな感じ。

これを500Lの水を汲んだタンクに流し込み、しっかりかき混ぜればムラのない希釈液が作れますよ。

使用する時間帯。真夏は要注意!

薬品によっては、高温時の使用を避けるように指示が記載されています。

農薬 注意

特に夏の暑い時期は、薬品の希釈液が蒸発する際に葉や果実に害が出ることがあります。

高温時の使用は薬品によって注意が様々ですが、基本的に日中は防除をしないのが得策でしょう。

今の時期で言えば、17〜18時くらいから作業するのが良いでしょうね。

夜間の気温であれば、薬品の希釈液が蒸発しても問題ありません。

正しい防除を。

僕は農薬の使用を否定しません。

散々言いますが、農薬と作物の美味しさは無関係と思ってもらって結構です。

作物が美味しいかどうかなんて、農薬以前に栽培技術の問題です。

美味しく作った野菜を病気や害虫から守るための防除なんです。

でも、だからこそ、使用法は厳守しなければなりません。

最後は人の口に入るものです。

農家が農薬の使用法を守ることは、消費者との信頼関係を守ることと同じなんです。