どうも!人生を耕すクレイジー・ファーマーこと、うめちゃん(@crfmuc0nd)です!
先日、「農業に興味がある」という人から相談を受けて、色々とお話しをしました。
やっぱりちょっと特殊な職業なので、
どうやって始めたら良いのか?
って考える人は多いのかなって思います。
僕も自分の経験を踏まえて話をする中で、色々と考えることがありました。
今回は、農業に興味がある人、農業を始めたいと思っている人に向けて書きます。
ズバリ、農業を始める前に考えておきたいこと。
設備投資とか、それに必要な具体的な資金についての話も大事ですが、今回はその前の段階。
どういう農業をしたいのか、というスタンスや方向づけについてお話します。
以前も、農業を始めることについて簡単な記事を書いたこともあります。
田舎で農業を始めたい人へ。梅田がすいかを作るわけをお教えします。 初心者でも農業できるのか?素人のくせに農業始めちゃったクレイジー・ファーマーが「農業の始め方」を語る。このブログを立ち上げた超初期の記事なので、書き方はメチャクチャですね。笑
以前書いた内容と被っているところもありますが、あれから現場で得た経験や、新しく考えたこともあります。
改めて、農業を志す人に向けてエールのつもりで書くことにしました。
クレイジーファーマー
最後までおつきあいくださいませ。
1.そもそも、なぜ農業なのか?
ちょっと漠然としてますけど、これは考えなくてはいけません。
農業に興味がある人の多くは、
・自然と触れ合うのが好き
・「農」のある暮らしに憧れがある
・何かを作り出すこと(生産すること)に興味がある
・食に興味がある
といったようなモチベーションがあります。
これは本当に良いことです。
こういう思いをもった人が増えてくれると嬉しいのは間違いありません。
しかし、これらの動機の答えが、必ずしも農業・農家に直結するわけではありません。
田舎で暮らし、家庭菜園を楽しめば十分に農のある暮らし・生産する暮らしを送ることができます。
問題は、それを生業にするかどうかですね。
自然が好きとか、農作業が好きとかいうだけなら、「生業としての農業」でなくても実現できるんです。
そこをあえて生業にしていくには、大なり小なりコストやリスクも発生します。
クレイジーファーマー
それとも農業ですか?
これは、農業について具体的に考える上できちんと答えを出しておきましょう!
さて。
ここまで読んで、
やっぱり農業がしたい!
と思った人はこの先を読み進めてください。
どうしよう…農業はできないのかな…
と思った人も、大丈夫。
農業への関わり方はたくさんあるし、前向きな興味や憧れがあるなら段階を踏むという方法もあるので、ぜひこの先も読んでみてください。
2.住みたい場所で選ぶ?作物で選ぶ?
農業には「適地適作」という言葉があります。
栄養の豊富な土壌を好む作物もあれば、痩せた土地を好む作物もあります。
例えば、らっきょうは砂混じりのさせた土地で栽培します。
鳥取砂丘や、鹿児島県の南さつまのらっきょうが有名ですね。
栄養豊富な土壌ではかえって生育不良を起こしてしまいます。
また、地域特有の気候によって適した作物も変わってきます。
ワイン用のブドウなどは湿気を嫌うので、夏の降水量が少ない気候が適しています。
国内では長野や山梨がこれに当てはまりますね。
例としてはちょっと極端でしたね。
でも、より質のいい作物を、より多く収穫するためにはよく考えなければなりません。
もし、農業を始めるにあたって、やってみたい作物がすでにあるのなら、その作物を栽培するのに最適な環境を選んで移住するべきなんです。
逆に、住みたい地域が決まっているのなら、その地域の土壌や気候に適した作物を選ぶべきです。
僕の例で言えば、
僕の住む山口県の山奥はスイカの栽培には最適な環境です。
国内生産1位が熊本なので、温暖な環境を好む作物だと思われがちですが、意外とそうでもないんです。
スイカをより美味しくするには、夜間にしっかり気温が下がることで昼夜の温度差が生まれることが大事なんです。
僕らの住む地域は標高が高く、昼夜の温度差があるのでスイカがもっとも美味しくなる環境です。
もちろん、施設栽培によって温度管理を行えば、ある程度の気候的な条件を操作することもできます。
しかし、ハウスを作り、暖房設備を用意するには相応のコストもかかるので、作物の選定の段階でしっかり検討しなくてはなりません。
3.農協出荷する?自分で売る?
次に販路のことを考えます。
ほとんどの農家さんが、収穫した作物を、農協を通じて青果市場に出荷しています。
販路としては、農協に出荷するのがもっとも難易度が低いですね。
それゆえにほとんどの農家さんが農協に出荷するわけですし。
しかし、もしこれから農業を始めたいなら、農協出荷はあまりオススメできません。
それはなぜか?
問題になるのは、自分がどのくらいの規模で作付けするか、です。
新しく農業を始めるとき、いきなり大型機械を導入して、広大な圃場を耕作する、なんてことは現実的じゃありませんね。
もちろん、がっつり投入できる資本があるなら話は違いますが。
スタートアップは、自分の管理が行き届く範囲で行うものです。
そういう状態で、多くの農家さん同様に農協に出荷するとどうなるでしょう?
価格を決めるのは青果市場
農協を通じて集荷された野菜は、青果市場へ運ばれます。
青果市場は運ばれてくる野菜の価格を決めて、量販店に卸していきます。
青果市場では「供給量」が決め手
運ばれてきた野菜の価格は青果市場で決まるわけですが、市場は何を基準に価格を決めているのでしょうか?
答えは簡単。
決め手になるのは「供給量」です。
要は、出荷量が増えれば単価は下がり、出荷量が減れば単価が上がるということ。
これは、僕らの地域から出荷される、ある年のほうれん草の出荷数量と青果市場での単価をまとめたものです。
棒グラフが出荷数量、折れ線グラフが数量単価を表しています。
ここまではっきりとデータに表れればわかりますよね?
出荷数量が増えれば単価は下がり、出荷数量が減れば単価が上がるという市場経済の仕組みを見事に映し出しています。
夏のほうれん草は冬に比べると栽培も難しいため、全国的に収穫量は落ち込みます。
スーパーでも夏のほうれん草は結構高いですよね。
青果市場は、各地から日々運ばれてくる野菜の量に応じて、価格を高くしたりやすくしたりしてるわけです。
量が少なければ多少高くても買い手がつきますし、価格が安くても量が多ければ稼げますからね。
物量の勝負で勝てる???
ここで先ほどの話に戻ります。
大事になってくるのが、
自分がどのくらい作付けするか。
そして、おそらく農業始めたばかりの間はそれほど多くの収穫を見込めないということ。
お気づきでしょうか。
例えば全国的に収穫量が多いタイミングの場合、単価がグッと下がっているので、収穫量が少ない農家は儲からないんですよ。
もちろん全国的に収穫量が多い時は、自分の収穫量も多いわけですが、大規模な産地やすでに広大な土地をもつ農家さんと比べたら絶対量が違います。
※1ha=100m×100m
青果市場という、物量がものを言うフィールドでは、小規模な農家は構造的に絶対に儲からないんです。
言い方を変えれば、小規模農家が絶対に勝てないルールで戦うことになるということ。
もしこれから農業始めるにあたって、広大な土地で大規模な作付けが可能であるなら、農協と市場、量販店を相手にするのも良いでしょう。
さっきも言ったように、最低でも1ha必要ですね。
しかし、スタートからそこまでの設備投資ができる人はそういないでしょう。
人件費も凄まじいですからね。
すでに大きな農地を持つ農家の後継ぎでもない限り、これからの若い農家は青果市場や量販店で売ることはやはりオススメできません。
クレイジーファーマー
自分が勝てるルールを作ることです。
とは言っても、自売りは難しい。
どっちだよ!って思われるかもしれませんね。笑
でも、農業に限らず、自分の商品を自分で売り込んでいくことが難しいのなんて、考えるまでもなくわかりますよね?
要は起業なわけですから、起業家なら大なり小なりぶつかる壁です。
自分の作った作物を売っていく上での選択肢はいくつかあります 。
・地域の直売所や道の駅
・それ以外の小売店
・マルシェに出品
・市場を通さずに量販店の産直コーナー
・デパートの青果コーナー
・インターネット
パッと思いつくだけでも結構ありますね。
例えば道の駅。
地域の道の駅や直売所の野菜はめちゃくちゃ安いですよね。
こういうお店はリタイア後に年金をもらいながら野菜作っている人が多く出荷しています。
彼らはお小遣い程度の商売でも生活が苦しくないので、ひどく安売りしてしまう傾向にあります。
買う方は嬉しいけれど、生産者としてはなかなか厳しいところ。
しかし、豊富な品揃えや個性的な施設などが人気で、地域外から多く客が訪れるような道の駅もたまにありますね。
そういう場合になら、広告がてら、いくらか野菜を回して自分の名前と味を売っていくという方法もなくはないでしょう。
例えばデパートの青果コーナー。
デパートで野菜や果物を買うお客さんは、はっきり言って値段なんて見ずに買い物するような人たちです。
偏見かな?笑
でも割とあたってる気がする。
それは、デパートに置いてある時点でその辺のものとは違う、ワンランク上の品物だという認識のもとで買い物をしているからです。
一度デパートに認められて、青果コーナーに置いてもらえるようにでもなれば、量販店よりもはるかに高い単価で作物を売り出すことができます。
これだけ聞いて、
お!デパート良いじゃん!これなら稼げる!
って簡単に思っちゃう人はいませんよね?笑
そもそも、自分の商品を売り込んだところで、デパートに並べてもらえるのか?
ってことです。
相応の営業努力と、品物のクオリティがなければ相手にもしてもらえません。
ですが、この壁さえ突破できればかなりの収入が見込めるので、将来的な目標として見据えておくのは良いでしょう。
例えば、マルシェ。
ここ最近、各地で増えつつあるのがマルシェ。
フランス語で「市場」、英語で言うところのマーケットですね。
いろんな農家がそれぞれの商品を持ち寄って、それぞれのブースを構えて対面で販売を行なっています。
めちゃくちゃ有名なのが、東京の青山で開かれているファーマーズマーケット。
全国各地の農家さんが自慢の野菜や果物を東京まで持ってきて販売しています。
もちろん、地方から東京までの旅費は農家負担です。
でも、ここでの販売には大きな意義があります。
実際にここで出品している方から聞いた話ですが、このマルシェのお客さんの中には、都内で飲食店を経営している人も多いのだそう。
彼らはこのマルシェで料理のイメージにあう野菜をみつくろって買っていくわけです。
また、気に入った農家さんとは個別でやり取りをしたりもするんだとか。
マルシェでの売り上げも重要ですが、マルシェへの出品がある種の広告にもなってるわけですね。
マルシェでの販売を成功させるには、対面での販売におけるトーク力も重要になってきます。
自分の商品の魅力をしっかり伝えていく必要がありますからね。
そして、自分の商品、つまり野菜や果物に関する広い知識も欠かせません。
必ずと言って良いほどお客さんに聞かれるのは、
「これ、どうやって食べたら美味しいの?」
とという質問。
これに対して、お客さんの想像を上回る答えを言えたら最高ですね。
日頃から料理の知識も蓄えておく必要があるんです。
例えばインターネット。
よくあるのが、
自分で育てた野菜をネットで販売する!
ってやつ。
これなら、一気に販路を拡大できそうな気もしますね。
でも、これはかなり難易度高いですよ。
農産物のネット販売って、検索するとかなりの数のサイトが出て来ます。
その中から、自分のサイトを見つけてもらって、買ってもらうのがいかに大変なプロセスであるかは、あらかじめ理解しておかなければなりません。
例えば「農産物 通販」とか「野菜 通販」みたいな検索ワードで新参者が上位に食い込むなんて無茶もいいとこです。
ブロガー梅田
狙った検索ワードで上位をとるのは簡単じゃないんです。
もちろん、ネットの活用は考えるべき選択肢のひとつです。
ただし検索ワードだけでなく、SNSを活用して集客に繋げるのが必須かと思います。
特にTwitterとInstagramは、本腰入れて育てていくべきツールです。
ただ単に日常を発信するだけでなく、
どうすれば自分の発信を多くの人に見てもらえるか?
という視点で取り組みましょう。
僕も模索しています。
ポチッとな。
オラの力でしゅうへいさんを月商100万円に!インフルエンサー1年目の教科書〜Twitterとブログを武器に「自分を仕事」にする方法〜|しゅうへい @shupeiman|note(ノート) https://t.co/3P4OTDNgBK
— 梅田将成🍉人生を耕すクレイジー🤪ファーマー (@crfmuc0nd) 2018年12月25日
SNSは「無料で打ち出せる広告」に化けます。
ちなみに。
僕が山口県の阿武町で取り組んでいる「福賀すいか」がどんな形で販売しているかを参考までに書いておきます。
僕らはスイカ生産者が「福賀すいか部会」を組織し、農協に所属しています。
その中での販売形態は、
・お客様からの注文
・契約している小売店からの注文
主にこの2つを最優先にして品物を回しています。
当然、これらに回すスイカの価格はすいか部会が決めています。
注文分を確保し、余った品物が青果市場へ出荷されます。
以前は市場への出荷が主体だったそうですが、それでは勝てないことに気づき、方向転換。
農協へ所属していながら、農協以外での販売に力を入れているというやや複雑な状況。
当時、農協の偉い人とは大いに揉めたそうです。笑
でも、おかげでこれからも希望が持てます。
さらなる顧客の拡大のために、こうして僕がブログを書き、SNSを育てているところ。
「自分の商品」という自覚!
農家が作る農産物は、本来は生産者の商品です。
しかし、農協に出荷し、青果市場へ回った品物の価格は、生産者が決めることはできません。
この状況、ほとんどの農家が受け入れてますが、ビジネスとしてみれば決して健全ではありません!
自分の商品を自分で売って、自分で資産を構築していくこと。
これから農業を始めたい人は、このことを決して譲らずにスタートを切ってほしいと思います。
難易度は高いです。
しかし、努力する意味があります。
4.「食料需要」と「本物志向」
これからの農業は、大きく2つの方向性にくっきりと二分されていくだろうと考えています。
それは、
「食料需要」に応える農業
「本当に美味しいものが食べたい」に応える農業
という2つ。
まずこのことを前提とし、自分がどちらに取り組むのかを見据える必要があります。
食料需要は大きく変化しない
まず、「食料需要」に応える農業を考えます。
食料需要は、人間が生きている限り途絶えることはありません。
食料を作る農業をやっておけば、人類が全滅しない限り需要があるため、仕事として一定の価値があります。
しかし、食料に対する需要というのは、流行と違って大きな波が来るものではありません。
予想外の凶作や、大きな災害などで供給量が落ちた時に「相対的に」需要が高まることはあっても、需要そのものの絶対量は常にほぼ一定です。
食料需要は生きている人間の数と同じことなので、爆発的に人口が増加しないことには増大しません。
どちらかというと、日本で言えば人口が減っているので、今後の食料需要も緩やかに減少していきます。
こんな状況で、「食料を作る農業」に取り組む価値はどの程度残されているかはちょっと疑問です。
「食料需要に応える農業」のこれから
もう少し、食料を作る農業について考えてみましょう。
減少しているとは言え、生きている人間の日々の食料需要は巨大なマーケットです。
それに応えるためには、やはり広大な土地に、大型の機械を何台も導入する大規模な農業を用意しなくてはなりません。
最優先は量産することですからね。
(正直、日本の場合はそれでも自給できない部分が多いから輸入しているわけですが…)
そんな量産型の大規模な農業で重要なことは効率化です。
今後はますます機械の技術も進歩し、人工知能も実用ベースとなるでしょう。
土地こそ広大でも、現場を管理・統括するほんの数人を除けば、あらゆる作業を機械が行う。
そんな風景にも現実味を帯びてきました。
スマート農業という言葉も、もう聞き慣れた人もいますよね?
「6326 クボタ 」
「スマート農業」と呼ばれる次世代農業に対応した農機開発に向け、大阪府堺市に研究開発拠点を設けるようですね。投資額は1件当たりで過去最大となる700億円程度・・・
続きはコチラhttps://t.co/4nI9xqP6Nz#株ソムリエ #クボタ #下町ロケットヤタガラス #スマート農業 pic.twitter.com/rBu0REavBP— アレス投資顧問 (@Ales_ia_com) 2018年12月26日
実際に担い手は減り続けています。
それに、日々の人件費よりも、昼夜問わず動く機械に投資した方が安いですからね。
これが食料供給としての農業の進む道です。
人間が行うには苦労が多かった作業は機械や人工知能が担うようになります。
量産型・大規模農業においては、農作業を人間が行う意味がどんどん薄れていくでしょう。
機械や人工知能への専門知識を持っていて、農業への参入を考えるならそれもアリとは思います。
しかし、この記事を読んでくれている人のほとんどが、自らの手で取り組む農業を想定していますよね?
そうであるなら、食料供給のための量産型農業とは一線を画すべきです。
ロボットに仕事を奪われちゃいますから!
本物志向が高まっていく
一方で、これからは食料に対する需要とは別のニーズが高まってきます。
それは、
本当に美味しいものを食べたい!
というもの。
これは、食料としての農産物がより量産化され、ありふれたものになればなるほど相反して高まる需要です。
本物、と言えるような美味しい食材が食べたい。
誰もが口にできるものではない、そんな特別な味を知りたい。
こういった欲求を持つ人は少なからず存在します。
先述した、デパートで買い物をするお客さんは、まさにこの層と言えますね。
今後、機械による食料の量産化が進めば、それとは正反対の、
・「人の手」で作られたもの
・より手間をかけたもの
・より希少なもの
これらの需要は強まっていくことでしょう。
そして、これらを求める人たちは、「本当に良いもの」にはお金を惜しみません。
商品やサービスに込められている
知恵、技術、時間、経験、etc…
といったものに「価値」を正しく見いだせる層でもあります。
「食料供給としての農業」の機械化・効率化が進めば進むほど、
人の手によって作られた「本当に美味しいもの」への需要は高まっていくでしょう。
作付けが小規模で収量が少ないのであれば、品物のクオリティを高めて、高単価にしていくことを狙うべきです。
そうすれば、あなたが農業をする意味を消費者に見出してもらえます。
コツコツと本物を作る努力を。
もちろん、高単価で消費者に受け入れられる品物を作ることは簡単ではありません。
というか、めちゃくちゃ難しい。
でも、この努力を怠るなら、農業で勝ち残ることはできません。
僕が作っている「福賀すいか」も、僕の師匠たちが何年もかけて栽培方法を確立し、「本物の味」を作り上げています。
もちろん、その道はまだまだ続いていて、僕も継承・進化を担っているところ。
福賀のすいかの栽培についてはこちらの記事もあわせてどうぞ!
量産型スイカなんてワクワクしないでしょうよ! 今日のすいか栽培「孫とり編」 【2019年版】僕らは今日もせっせとリスクをとる。シーズン出荷10000玉、幻の「福賀すいか」の栽培の様子をお届け!【摘果】5.現場を知るべし!
ここまでは、農業をはじめるにあたってのスタンスのあり方のようなものを考えてきました。
しかし、あれこれ考えるだけでは頭でっかちになってしまいます。
自分で本格的に農業をはじめるその前に、
1度は実際の農業の現場に入って作業をすることを強く勧めます!
現場でしか得られないものがある
座学や本で得られる知識ももちろん重要です。
しかし、知識は別に逃げていくものではありませんよね?
農業の現場で起こることは、その瞬間だけのものです。
季節と共に畑の風景は変わっていきますからね。
現場に入ることで、その瞬間にしかできない体験がいくつもできるはずです。
僕もスイカの現場で、それはもう色んなことを経験してます!
嬉しいこともありますし、ひどい目にあうこともあります。
スイカをカラスに食われた!クレイジー・ファーマー、いよいよホントに気が狂いそう。 今日のすいか栽培「すいかが割れる悲しみ編」 それでも僕らはリスクをとって美味しいスイカをつくる。こういうことを全く知らないまま自分で農業始めると、後になって思わぬ挫折をすることになります。
まずは現場です。
知識は必要になった時にいつで手に入りますから。
「援農」という働き方から農業に触れる。
農業の現場に入って作業をするといっても、やり方は様々。
僕からは、今アツくなりつつある「援農」をオススメします。
援農とは、
作物特有の作業が忙しさのピークを迎える期間に限定して、産地に住み込みながら作業をする働き方のことです。
いわば季節限定のアルバイト。
シーズンワークと言っていいでしょう。
通年で雇用するわけではないので、雇用側が負担する人件費は最低限ですみます。
働く方も、期間が限定されているので、自分にあった働き方の選択肢として注目されつつあります。
地方移住を検討中の人へ。援農という新しい生き方を提案する。
「援農」という言葉が出て来る前から、北海道などでは農作業の季節労働が受け入れられており、夏には旅人が集まって農作業で収入を得ています。
今では京都のお茶の産地、和歌山や愛媛のみかん産地でも、繁忙期に農家さんが人材を募集したり、援農をプログラムとしてコーディネートする人も出てきています。
単なる農業体験ではなく、しっかり収入をもらいながら、その地域での暮らしにも入っていくことで、より農業というものをリアルに考えることができる良い機会になります。
実際に生産者が何を考えているか、色々と話を聞けたりもしますしね。
各地の援農情報をチェックしよう!
まずは、各地で行われている援農の情報を探してみましょう。
僕らのすむ阿武町の福賀地区でも、援農プログラムを実験的に取り入れています。
昨年は僕らの育てるスイカの現場に助っ人が来てくれました。
来期も、スイカはもちろん、他の作物にも声をかけて、行政とのタイアップで進めていく予定です。
さらに、今年は京都・奈良・愛媛などの地域とも協力して、援農について発信するイベントを打ち出す予定になっています!
場所は大阪。
時期は1月下旬〜2月上旬の予定。
詳しい情報は近日中にこのブログ・Twitterなどでもお知らせします!
これからの農業を、はじめよう。
この記事では、いつもの僕のブログではあり得ないくらいの文章量を詰め込んで、農業をはじめることについて書いて来ました。
1.そもそもなぜ農業なのか?
2.住みたい場所で選ぶ?作物で選ぶ?
3.農協出荷する?自分で売る?
4.「食料需要」と「本物志向」
5.現場を知るべし!
どういう農業をしたいのか、というスタンス、方向づけによって、必要になってくる設備や資金も変わってきます。
この記事を読んでちょっとでも何か感じることがあったなら幸いです。
やはり簡単ではない現実もありますよね。
でも、あなたが志すべきは今までの農業ではないはず。
「これからの農業」を真剣に考えていけば、必ず活路がひらけます。
これから、農業の現場で輝く人が増えてくることを期待しています!
僕もみなさんに負けずに頑張ります!