今年度のすいか栽培に、町とのタイアップで援農プロジェクトを実験的に取り入れています。
これから、町の一次産業に新しい風を送り込むシステムのひとつとなっていくはずです。ちょっとご紹介。
援農とは
年間で考えた時、農作業の忙しさは時期によって極端に差が出ます。
毎日朝から夕方まで働き詰めになる時期もあれば、全くやることがない時期もあります。
例えば僕らのスイカの場合、土作りや大掛かりなハウス修理などを除けば、4月の定植開始から8月の収穫が終わるまではほぼ毎日休まず仕事をしています。
ですがスイカがハウスからなくなってしまえば当然やることがないわけです。
作物によって忙しさのピークが来る時期は違いますが、ひとつの作物に特化して専門的に営農している限りは、基本的に「1年中目が回るほど忙しい」というわけではないんです。
法人化して複数の品目に取り組み、常に仕事がある状態を作れば通年雇用も可能でしょう。
しかし、そうでない個人の農家さんにとっては、通年雇用って現実的じゃないんですよね。
そんな「ピークの波がある」一次産業の現場にピンポイントで人手を入れていく考え方が援農というものです。
お茶の町、京都府和束町
阿武町で援農を始めるにあたって参考にしたのが京都府相楽郡和束町。お茶の一大産地です。
昨年10月、阿武町役場の職員さんの視察に僕も同行しました。見渡す限りお茶畑って感じです。
和束町は今年で援農プロジェクト5期目で、これまでにのべ63人の参加者が。
5〜7月の3ヶ月間、お茶農家さんとともに作業をし、バイト代をもらいながら田舎暮らしを経験できます。これまでには、プロジェクト期間後も和束町に住み、地域おこし協力隊になったり、若手お茶農家さんと結婚しちゃったりという例もあったそうな。
ワヅカナジカンプロジェクト→http://youandvillage.wixsite.com/wazukanajikan
働き方の選択肢として
例えば和束町でお茶の作業に参加したとして、8月や9月からは別の場所で、違う作物に取り組む農家さんのお手伝いをしてお金を稼ぐっていう働き方。
これってありでしょうか?なしでしょうか?
日本各地の農作物がピークを迎える時期を読み取り、その波に乗って旅するかのごとく仕事を繋いでいくという生き方、僕は大ありだと思っています。
だってそういう人がいてくれると助かるから。
田舎は新しい人が入って来るとすぐに移住とか定住を期待しちゃいますが、そればかりに囚われてるとお互いに消耗します。
仕事の期間だけそこで暮らし、終わればまた別のところに行ったっていいじゃないですか。
その人の人生なんですから。
気に入ってくれれば継続して住み、別の仕事についたり、仕事作っちゃったり。
援農は、働き方・生き方の選択肢になりうるんですよ、きっと。
阿武町でも
というわけで、阿武町では僕らスイカ農家のもとにシーズンワーカーがやってきてくれています。彼らのおかげで本当に助かってます。
ここでの経験が、どんな形で花開くのか。
思い出の場所か。今後の拠点のひとつか。それは本当に様々なのだから、彼らとこの町とのささやかなつながりのきっかけになれればいいなあ!